まさか自分が

まさか自分がモラハラのような精神的DVの被害に合うとは思わなかった。


それに、気がついたのも別れてしばらく経ってからだ。友人から言われたり、冷静になって過去を振り返られるようになって初めて気がついた。それでも最初は信じられなかった。心のどこかで、自分がそんな男性と付き合っていたということを認めたくはなかったのだと思う。恐らく、男性の歪んだ自己愛に付き合わされただけで、愛されていた訳ではなかったということに気づきたくなかったのだ。


お相手は、付き合っている時は本当に愛してくれていた。言葉や表情からもすごく伝わってきた。でも、自分を無条件に愛してくれるから愛してくれていただけだ。私の魅力に惚れたわけでは決してない。


それに、わたしは彼の中での優先順位がすごく低かった。彼はお友達や会社の人にはものすごく気を使う人だ。きっと優しい人だと思われているだろう。でも、それは無理をしている上での評価だ。本当の彼は、自己愛で残忍だ。


わたしは毎日サンドバックのようだった。でも彼は自分のことを愛してくれる存在を失いたくはないから、巧妙な手を使ってモラハラをしてくる。そんなつもりではなかったといくらでも言い訳できるように。


いつしかわたしの心はボロボロになった。元々自尊心のカケラも持ち合わせていない私が、更にボロ雑巾のような精神状態に陥った。


自尊心のカケラも持ち合わせていない私でも、過去の経験から、自分は男性から愛されて大切にされるという自信だけはあった。


そう信じていたところのモラハラ被害。遂に私は男からもサンドバックにされてしまうのか。彼の心の穴を埋め、心ない言葉に傷つき、ストレスのはけ口にされ、女としての自信を失う。わずかに残っていた希望も打ち砕かれた。


私の心には何も残ってはいない。ボロ雑巾になってしまった。


男性への不信感、心の傷、トラウマ、怒りや怨念だけが残ってしまった。


モラハラは想像以上に被害に合うとしんどく、後を引く。生気を吸い取られるのだ。


モラハラは許せない。残忍で卑劣な行為。


しかし、自分が幸せになる為には、負けてはいけない。